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9年前の未現像フィルムが無事でした [科学と技術一般]

EnriqueImage.png
すっかり忘れていました。
フィルムカメラの中に9年間そのままになった未現像フィルムがあり,ダメもとで現像に出してみましたら,そこそこ写っていました。もし撮影済みのフィルムがあったら,どうせダメだろうと捨てないで,現像に出してみることをお勧めします。未現像フィルムが入ったままのカメラを下取りに出してしまった事があります。反省です。

 
 9年前に撮影済みで未現像だったコマ
 
 
 
 同フィルムに直近撮影したコマ
 
フィルムの感光粒子は,光が当たった方が安定化しているようです。もちろん現像・定着しておくのが最も安定でしょうが,忘れていたものは仕方がありません。

感光粒子の無色の臭化銀は,光のエネルギーで黒い銀粒子に還元されます。

   光↓    
 AgBr → Ag + Br

これは白黒フィルムの感光の様子ですが,カラーフィルムでも色素や色のフィルター層があるものの原理は同様です。また超高感度のフィルムでは金を使うなどしてより還元されやすくしていました。感度の高いもの程,僅かの光の刺激で還元されるよう銀や金が臭素とやっとこさくっ付いている状態にしているなわけで,未露光のフィルムは大変不安定な状態と言えます。

大雑把な議論ですが,光が当たる前のAgBrで長く保管されるよりも,光が当たって銀粒子Agが出た方が安定なのではないかと思います。このことが9年前撮影の未現像コマの方が,同フィルム上で直近に撮ったコマよりもマシな理由だと思います。
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コメント 2

アヨアン・イゴカー

9年前の未現像のフィルムがこれだけきれいに現像できたと言うのは、好かったですね。撮影された時の記憶もきれいに甦ってくるのではないでしょうか。
それにしても、アナログ的なものの方が、保存にはより適していると改めて感じました。
20年も前にYAMAHAのV50で録音し保存しておいたフロッピーディスクなど、最早まったく役に立ちません。確認する方法すらありません。ただ持っているだけです。一方、録音したものをカセットテープに録音したものは、まだ聴くことが出来ます。
by アヨアン・イゴカー (2015-04-14 23:33) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,ありがとうございます。
媒体そのものの保存性と,それを再現するハードウェア・ソフトウェアの課題があると思います。
なるべく単純な仕掛けでそのまま見えるものが一番強いですね。
ご指摘のフロッピーディスクの場合,媒体そのものの保存性はカセットテープと同等以上ですが,掛ける機械の規格が特殊ですと,物理的に読み出せても,どういう取り決めで音にしていたかが分からないとダメですし,仮に分かってもそのハードが無いと再現出来ないとなり,専用装置が無くなければ実質アウトになってしまいます。
録音専用媒体でも,テープの後に出たMDは却ってあぶなく,現在使われているMP3やAACその他の圧縮規格も将来別規格になると危ないですね。いっその事,大事な音源はアナログに戻してレコードに刻んでおけば良いのではなどと思います。
by Enrique (2015-04-15 07:19) 

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