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ハカランダと似た花 [雑感]

昨年の記事ですが,クマゼミショックというのを書きました。クマゼミと共にショックというか気になっていたのがそこの大規模遊園地にハカランダのような花木が植えられていたことです。ハカランダ(英語読みジャカランダ)は 藤色の花が美しい花木ですが,言わずとしれたギター(のサイド・バック)用の高級木材です*。
Jacaranda in bloom by blmurch.jpg




これは本物のハカランダの花**
Jacaranda in bloom by blmurch with CC License Attribution

ハカランダに関する記事をこのブログ開始した頃書いたのですが,良く閲覧されています。クラギに限らずアコギでもヴィンテージ楽器には良く使われているようです。

おさらいをしておけば,別名ブラジリアン・ローズウッド ,種々の思惑からか中南米ローズウッドと言われることもありますが,これはブラジリアンでないといけないらしいです。ローズウッドというのは一種類の木の名前を特定するものでないので,その一種がハカランダ。さらに面倒な事にハカランダと称する木にも2種類あるようです。豆科のものとノウゼンカズラ科のものです。もちろんマメ科のほうのものがギター用木材に使われるものだそうです。

似たものにペルナンブーコと呼ばれるやはりブラジル産の材があります。これはヴァイオリン用の弓材として最高のものです。別売りの良い弓は必ずこの材が使われます。この材もいわばブラジリアンローズウッドですが,間違ってもそのようには言われません。セットバイオリン付属の弓や別売りでも比較的安価なものに使われるのは似た材ですが,ブラジルウッドと言われるものです。それとの混同を避けるためという理由でも無いでしょうが。

いずれの材の振動的特性に関するものもJournal of Guitar Acoustics掲載の材に関する記事の要約として以前載せました[1],[2],[3],[4]

ペルナンブーコ材はハカランダ材ほどの希少価値は言われないようです。伐採禁止種になっていないのと,当然使う量の問題もあるのでしょう。ハカランダ材の様に幅広の材は要りません。それよりも製作者のネームバリューの方が大きいようですね。あとバイオリンの弓には貝と銀が使われますが、それらも量的には大したものではなさそうです。
サルスベリ.jpg
ところで大規模遊園地に植えられていた花木(上の写真)は,調べてみるとハカランダではなくて,サルスベリの一種でした。良く見ると花や葉の大きさやつき方とも全然違います。色もこれはピンクっぽいですが,ハカランダの方は青っぽいですね。ハカランダの花は桐に似ています。

*ysscatsさんのご指摘で紫色の花の木のハカランダは,ノウゼンカズラ科のもので,ギター材のハカランダとは全く別の種類の木だということが分かりました。
**同様に,これはハカランダはハカランダでも,ノウゼンカズラ科のもので,ギター材のハカランダとは全く別の種類の木です。花木としてはこちらが有名です。

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Cecilia

ベルナンブーコは一昨年ヴァイオリンをヤフオクで購入した頃に知りました。
近い将来今より使いやすい弓を入手したいと思っています。今より使いやすければよいので贅沢は言いませんが、ベルナンブーコに憧れています。(笑)
by Cecilia (2012-04-03 08:24) 

ysscats

時々、お邪魔して楽しく読ませていただいております。

以前のハカランダに関する記事の時から、勘違いされていることに、気がついていたのですが、今回の写真も間違いなくノウゼンカズラ科 Jacaranda mimosifoliaです。ギター材のJacarandaは、マメ科 Dalbergia nigraで、花は藤色ではなく白です。学名で画像検索をすると見つかります。
by ysscats (2012-04-03 17:45) 

Enrique

Ceciliaさん、nice!&コメント有難うございます。
ペルナンブーコの自然の木はどんなのか知りませんが、材としては細いものしか入手できないようです。弓材としてはそれでいいのでしょう。大変コシのある粘り強い木のようです。見た目ではなかなか普及品のブラジルウッドとの違いは分かりませんが。
by Enrique (2012-04-03 23:23) 

Enrique

ysscatsさん、ご指摘有難うございます。
てっきりあの紫色の花の木の材がギター材のハカランダだとばかり思っていました。参照した画像であの花とギター材が一緒くたに扱われていました。きっとそういう記事も多いのですね!今回マメ科の方のDalbergia Nigraで検索しても、紫色の花のものも混入していましたが、まちがいなく白色の花の方がギター材ですね。これは訂正記事書かないといけないかもしれません。
堅木ですから、マメ科というのは認識していましたが、ノウゼンカズラが立派な大木になるというのも意外でした。花木としてはノウゼンカズラ科のほうが圧倒的に有名(世界三大花木)、材としてはマメ科の方が超有名というところで混同が発生するのですねー。
by Enrique (2012-04-03 23:49) 

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