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ギター曲と楽曲形式(9) [曲目]

以前紹介した「楽式論」の応用楽式として取り上げられている曲名を用いて,ギター曲として多く取り上げられているもの,およびそうでないものについて,ギター曲中心に書いてきた。前回から組形式によるものを概観しているが,今回はその続きでソナタ。

組型式によるもの(つづき)

ソナタ
本来,声楽曲のカンタータに対する器楽曲を意味する対語だが,狭義にはソナタ形式をもつ楽章を含む,4楽章前後の組形式の楽曲である。このことを著者は,ソナタ形式と区別するため,独自の命名でソナタ構造なる楽曲としている。

多くは第1楽章がソナタ形式(S),第2楽章がリート形式(L),第3楽章がメヌエット(M)もしくはスケルツォ形式,最終楽章がロンド形式(R)・ソナタ形式(S)・フーガ形式(F)のいずれかになることが多い。当然楽章数その他により変形を受ける。ソナタ構造による楽曲として,室内楽,交響曲,協奏曲がある。

ギターの古典的ソナタの最高傑作とみなされる,ソルの2つのグランド・ソナタは,Op.22が,第1楽章(S),第2楽章(L),第3楽章(M),第4楽章(R)であり,典型的なソナタ構造を持つ。
 Sonata1.JPGグランド・ソナタOp.22第1楽章冒頭・S形式

Sonata2.JPGグランド・ソナタ第2楽章冒頭・L形式


Sonata3.JPGグランド・ソナタ第3楽章冒頭・M形式
 Sonata3Trio.JPGグランド・ソナタ第3楽章につくトリオ

Sonata4.JPGグランド・ソナタ第4楽章冒頭・R形式

Op.25(第2グランド・ソナタ)は,第1楽章(S),第2楽章(L),第3楽章(主題と変奏),第4楽章(M)であり,少し変則的でしりつぼまりの印象はある。しかし形式の立派さと音楽的内容とは必ずしも一致しないだろう。私は第2グランドソナタの各楽章に,第1楽章(陰鬱な冬),第2楽章(春のよろこび),第3楽章(夏のけだるさ),第4楽章(秋・収穫の踊り)のイメージを感じる。そのような話は聞いたことは無いので,全く個人的見解であるが。(つづく)
2ndSonata1.JPG第2グランド・ソナタOp.25第1楽章冒頭・S形式


2ndSonata2.JPG第2グランド・ソナタ第2楽章冒頭・L形式


2ndSonata3.JPG第2グランド・ソナタ第3楽章冒頭・主題と変奏


2ndSonata4.JPG第2グランド・ソナタ第4楽章冒頭・M形式

2ndSonata4Trio.JPG第2グランド・ソナタ第4楽章につくトリオ

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