SSブログ

ピアノで弾きにくいギター曲 [雑感]

変なタイトルだが,通常ギターで難曲とされる曲でも,鍵盤で弾くと楽である。何ヶ月も掛けて仕上げた曲を初見で弾かれると,楽器が違うとはいえ,やるせなさを感じる。

ポンセの「ソナタ・クラシカ1楽章」。これがまたすこぶるピアノで弾きやすい。私がつっかえながら,ピアノで弾いても,「こっちの方がいいんじゃない?」と言われるが,これは多分にイヤミである。「弾いてあげる。」ということで,1オクターブ高く弾く。これは,楽譜そのままで弾いているわけだが,1オクターブ下げて弾いてくれといっても,気持ち悪いのでいやだ。と言う。こちらは,1オクターブ下げないと気持ち悪いのだが。仕方なく,キンキンしたのを聞くことになる。セゴビア版を取り出して,「こんなのもあるよ」と言って見せると,「おんなじじゃない?」と言って止めようとするので,「いいから続けて弾いてみて」と言う。「あら,別の曲かしら?,あっ,こっちの方が弾きにくいわ」,とか言いながら,弾いている。

そこへ行くと,純粋なギター曲であるアルハンブラはピアノでは弾きにくいようである。先日紹介したYouTubeの画像では実に巧みに柔らかく弾いている人がいる。妻に言わすと,タッチがゆるいアマチュアの方が上手に弾けるのだの,自分は連打が苦手だの言い訳をしている,一応弾いてはいるが,「おもしろい」くらい弾けていない。「ざま・・・」とは言わないことにしよう。

大概の曲はギターでは難曲でも,ピアノでは「おもしろくない」くらい弾けるのに,この曲は大違いである。後はヴィラ=ロボスの練習曲1番とか,前奏曲1番とかの,ギターで作曲された曲を弾いてみてもらうことにしよう。前奏曲2番や4番も面白い。自分でピアノで弾くのは時間のムダなのでやめておこう。妻とのざれごとを書いた。

nice!(2)  コメント(6) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 6

やーさん

奥様とのやりとり(駆け引き?)を楽しく拝見させていただきました。

トレモロをピアノでやらせるのは少し酷かも?

by やーさん (2009-09-30 06:01) 

Enrique

お恥ずかしい話を書きましたが,アルハンブラなどのトレモロに関しては,ギターは強力という趣旨です。もちろん,ギターでも難しいですが。

今後やーさんが弾いておられた「魔笛」について書こうと思いますが,またご覧ください。
by Enrique (2009-09-30 07:56) 

MASA

どこの家庭でも、嫁さんには勝てないですよね。

ところで、ヴィラ=ロボスの5つの前奏曲は、同胞の作曲家である、Jose Vieira Brandao によって、ピアノ独奏用に編曲されています。ヴィラ=ロボスの弟子であった、アンナ・ステラ・シックによる録音もあります。
前奏曲2番は、この曲の持つコケティシュな感じがよく出ていて、ピアノでも結構面白く聞きました。でも5つの前奏曲は、ギターの方がやっぱり味わいが深くて、ギターの勝ちかなと感じますね。

機会がありましたら聞いてみてください。
by MASA (2009-09-30 18:15) 

Enrique

MASAさん,コメント有難うございます。ヴィラ=ロボスの前奏曲のピアノ編曲の件,うかがっていたのですが,今回Naxosで試聴しました。冒頭30秒のみですが,どれもそれなりにピアノ曲にはなっています。2番は音が1オクターブ高いようで,曲の雰囲気は強調されていますが,サビの部分でギター特有の,同じ押さえでスライドさせて弾く変則アルペッジオをピアノでどう処理しているかは見もの(聞き物)ですが,残念。ギター譜のまま弾いても面白み無さそうです。この辺のカンパネラ効果はやはりギター特有のものでしょう。5番辺りはピアノ曲でもぜんぜんOKの気はします。
by Enrique (2009-09-30 19:36) 

MASA

Enriqueさん

NAXOSでピアノ編曲版が発売されているのは知りませんでした。
日本のNaxosは、30秒の視聴制限がありますが、米のサイトは、この制限はありません。
http://www.naxosmusiclibrary.com/
に接続して、画面右下の、Free Previewを押します。
15分の制限はありますが、ブラウザを立ち上げなおすと、制限解除されるので、15分以内の曲でしたら、実質的に聞き放題です。

ショーロス第一番も編曲されていたのを思い出しました。
この曲は、軽めのショーロの曲なので、ピアノで演奏しても違和感はなく聞けます。
by MASA (2009-10-01 18:02) 

Enrique

貴重な情報有難うございます。NAXOSの米国サイトはすごいですね,一回の入りなおしで,ソニア・ルビンスキーの演奏,ブランダオ編曲・ヴィラ=ロボスのプレリュード全曲聴けました。
1番は名曲ですが,正直なところどこが良いのかよく分からなかったのですが,ピアノで聞いてみると,かえって良いですね。遠くから見て初めて故郷の良さがわかるといった心境でしょうか。
2番の中間部は低音のメロディ?を強調して,アルペジオは軽く弾いて不協和音を強調しませんね。昨晩妻が遊び弾きしていたので,ギター譜のままで弾いてもらったのですが,中間部は,「これでいいの?」とかいいながら,うんざりしていましたので,賢明な弾き方(アレンジ?)ですね。
3番は雰囲気がちょっと変わっていますが,これはこれでいいですね。
5番はピアノ曲に向いていると思ったのですが,中間部は間が持たないようで,ピアノ的なオブリガートを入れています。
仕事しながら聞いていたので,余り細かくは聞いていませんが,ピアノ曲でも良いような気がしました。ギター曲に限局しなくても名曲だと再認識した次第です。ピアノ曲は沢山あるのに,少ないギター曲を編曲してピアノで弾かれるところからも,その資格ありでしょう。
by Enrique (2009-10-02 20:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。