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独学は可能か [演奏技術]

self-taught.jpg本ブログの前書きからして,このようなテーマは中心課題といえる。結論から言えば,どの程度を目指すかによる。誤解を恐れず言えば,アルハンブラやアラビア風奇想曲,魔笛程度は独学で弾くことはできる。それ以上の曲でも弾こうと思えば弾けるだろうが,後年師について見て,随分むだな練習をした割にはきちんと弾けていなかったという思いは強い。若い一時期,がむしゃらに沢山弾く期間があってもよいと思うが,ちゃんと習った上であれば上達も違っただろうなと思う。より高いレベルを目指そうと思えば,しかるべきプロに個人レッスンを受けるのは必須であろう。

At the Piano by edenpictures CC License Attribution

以下に独学に比べ習うメリットをあげてみる。

・客観的な判断により,適切な教材・課題をもらい,練習が効果的となる。(適切な課題設定で,目標が明確になる。)

・間違った技術,演奏等が早めに修正される。(長年ついた悪い癖を修正するのは大変。)

・教則本などに書かれていない内容を実際にデモンストレーションしてもらえる。

・先生の前や発表会など,人前で弾く機会が得られ,上達のモチベーションになる。

大学のサークルなどでは,先生につかなくても仲間で教えあったり,顧問の指導者がいる場合もあろう。そうでなくても,時間の余裕や競争的環境などが幸いして,プロの演奏を目指してがむしゃらに練習するので,短期間で上達する。そのような恵まれた環境のにある人でも,しかるべき個人レッスンは受けたほうが上達の質・速度とも数段良いと思う。

問題は,習う環境にない,近くに適切な先生がいないと言う場合である。それでも,昔よりはDVDなどの映像があり,YouTubeには初心者クラスから超一流プロまでの演奏映像がごろごろしている。譜面も,例えばタブ譜が付いたものが出回っていて,譜面が読めないという人でも何とかなる。ただ,タブ譜付楽譜は,私はやめたほうがよいと思っている(これにはもちろん異論はあると思うが)。リュートは伝統的にタブ譜だが,リュートをやる人でも,現在全くタブ譜から入る人はいないと思う。何も読譜視唱するわけでなく(勿論出来ればそれに越したことは無いが),押さえが分かれば良いだけで,最初に楽器側の音の場所を覚えれば,絶対的な音感とは別に左手の押さえはとれるはずだ。楽譜スペースが2倍食うし,他楽器とのアンサンブル等で困る,等々,最初の取っ付き以外メリットは無い。

最近ではかなりの上級曲でも,タブ譜が販売されているようだ。しかし,ちょっと運指を変えればスムーズに弾けるのに,タブ譜のまま弾こうとしてひっかかっているケースも見かける。難しい曲の譜読みには便利だろうが,逆に難しい曲の方が,運指を考えなければいけないケースが多い。運指は何通りも考えられる場合が多いが,タブ符の指定は一通り。しかも押さえる場所もさることながら,どの指を使うかが重要な場合も多いが,どうするのだろうか?

タブ譜に関して,否定的見解を述べたが,タブ譜付きの譜面がかなり出回っていると言うことは,需要もあるということだろう。しかし,五線譜の方が遥かに視認性が高いと思う。多分漢字とひらがなの違いのようなもので,ひらがなでも読んでしまえば同じかも知れないが,かなり効率が悪いことは想像できる。演奏の手がかりと言う面では,クラシック曲でもポピュラー譜のようにコードネームを付けてもらえると,スペースを食わずありがたい。タブ譜のある曲以外は決して弾かない,他楽器とのアンサンブルはやらない,左手の押さえはとれないが右手の技術は完全という人以外,使わないほうがよいと思う。むしろ,沢山の曲に(テキトーに)取り組んで譜面に慣れる?という独学の数少ないメリットがなくなり,アマチュアで楽しむにしても,楽しみの範囲を狭めてしまうのではないかと思う。それでも必要と言う方にはとやかく言う筋合いも無いわけだが。

やはり,習える環境にある人は個人レッスンを受けるべきで,タブ譜使用なども含め,個人の適性に応じ先生が判断してくれるだろう。ギターは技術が複雑なので,全くの独学は難しい。独学の長かった私も,最初の先生はテレビの荘村さんや芳志戸さん,渡辺さん,および出演の生徒さんたちだったわけだ。


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