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バッハ作品の長調と短調に関して [音楽理論]

長調と短調では好き嫌いがある。
モーツァルトは短調は少ないが名曲ぞろい。バッハはどうか。バッハ時代は調性の確立ほやほやだろうが,少なくともギターに関係の深いリュート曲,バイオリン曲,チェロ曲に関しては,バッハ後年の「平均律クラビール」以降の作品でもあるだけに,現在の表記で問題ないだろう。なお,音律に関しては「平均律」は現在の12平均律ではなく,ウェル・テンパードな(それまでの音律よりもくせをならした)音律,具体的にはヴェルクマイスターの第3調律法というものが用いられたと言われている。古楽関係では音律の問題はよく議論されるが,モダン・ギターでは必要性が薄いためか余りなされない。音律に関しては機会があれば書きたい。以下に,それらの調性を示す。


リュート曲
組曲 ト短調 BWV 995 (第3番,BWV 1011の編曲)
組曲 ホ短調 BWV 996 (第1番)
組曲(パルティータ) ハ短調 BWV 997 (第2番)
プレリュード・フーガ・アレグロ 変ホ長調 BWV 998
プレリュード ハ短調 BWV 999
フーガ ト短調 BWV 1000 (BWV 1001のフーガの編曲)
パルティータ ホ長調 BWV 1006a (第4番,BWV 1006の編曲)

バイオリン曲
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV 1001
無伴奏ヴァイオリン パルティータ第1番 ロ短調 BWV 1002
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV 1003
無伴奏ヴァイオリン パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調 BWV 1005
無伴奏ヴァイオリン パルティータ第3番 ホ長調 BWV 1006

チェロ曲
チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007
チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008
チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV 1009
チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV 1010
チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV 1011
チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV 1012

バイオリン曲 4:2で短調が多い。
チェロ曲 4:2で長調が多い。
リュート曲ではバイオリン曲とチェロ曲の長短の少数派から1曲づつ持ってきている。

 

バイオリンでは,「短短短短長長」。チェロでは,「長短長長短長」と見事なシンメトリー。長調と短調はキー以上に曲の性格を決定する。それらの並べ方にも何らかの意思が感じられる。


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