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コスモポリタン [雑感]

ジョンのバリオス好きはすでに記した。
何年か前来日したとき(福田インタビューの時の次の来日)はベネズエラ音楽に執心していたし,中南米音楽には特に興味があるようである。この辺はやはり,彼の血筋にもあるのではないかと思う。バリオスにもインディオの血が入っていたという。彼の東洋の血がやはり共通のモンゴロイドの血をひく中南米音楽に傾倒させている原因ではないかと。

コスモポリタンとは,国籍の違う両親を持っていたり,国を又に掛けて活躍する人のこと,とする。その意味でジョンはそうである。色んな要素がごちゃ混ぜになっていても,その中に特有の民族性を見出すことは可能であり,却って感度が鋭くなったり,客観的に見れたりするのだろう。ジョンは「さくら変奏曲」などを弾いて,日本の音楽の面白さも語っている。昔,フルートのランパルなどだったか,日本の曲をサービスで吹いてくれても,何か外国人が和服を着たような変な雰囲気もあったものだが,楽器の差もあってか,ジョンの演奏はしっくりしている。

ジスモンティは間違いなくブラジルが誇る,ビラ=ロボスの次の巨人であろう。実のところ私は全然知らなかったのだが,昨年のNHKの芸術劇場で初めて知った。とめども尽きぬ才能を感じた。大ファンでもあるところの鈴木大介さんが解説しており,ひき込まれて最後まで見てしまったが,独特な才気あふれる曲を多数世に出し,ギターとピアノを完璧に弾きこなす。彼も国籍の異なる両親を持っている。

ローマの街角のテラスで夏の夜,流しの楽団の弾くピアソラを聞いたことがある。知識としては,国籍「アルゼンチン」があるので,ヨーロッパでは何かミスマッチのような気がしたが,妙にしっくりと耳に残った。後で気がついたが,彼もまたコスモポリタンだったのだ。
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